合格体験記 No.8【R・Sくんの場合】

【合格】慶応大学 医学部

指定校推薦(内部推薦)のためのアドバイス

① 本格的に推薦を狙い始めた時期、理由などについて
 私は高校受験時、つまり中学三年生の時には既に医学部に進学したいと考えていたため、医学部への内部進学が可能な慶応の付属高校を第一志望にし、第二志望以降は医学部に一般受験で入るために必要な環境が揃っている高校を選んでいました。そのため、推薦を狙い始めた時期は入学が決まったタイミングでした。
 推薦による進学を目指した理由としては主に二つあります。まず一つ目は、受験時の高校の説明会にて、慶應では全校生徒の3%にあたる数の推薦枠が医学部にあるということを聞き、どうせそれくらいの勉強はできないと一般受験ではトップレベルの医学部には入れないだろうと考えていたためで、ある意味自分の覚悟を試すということでもありました。二つ目の理由としては、これは大変情けない話ではありますが、慶應に行けば最悪の場合でも慶應義塾の大学に行けるというある受け皿があったからであります。三年間一つの目標に向かって努力を続けるということは精神的にかなりつらいことが予想されていたため、このすべり止めは私の中ではかなり重要なファクターでした。

② 定期テストへの取り組み方について
 私が一番大事にしていたのは、この日はこれを最低でも終わらせようというノルマ、計画を遅くても一か月前には既に決定しておくことでした。正直なところ、ちゃんとした計画さえあればあとは気合でなんとかするとしか言いようがありません。勉強は気合です。しかし、学校の先生方というのはテスト前ぎりぎりまでの内容をテストの範囲にしたり、レポート課題を急に出したりと生徒の予定をぶち壊すことを生きがいとしているようなので、最悪でもテスト二週間前にはテストを受ける予定で計画を立てていました。事実として、高校三年間で九回あった定期テストの勉強スケジュールが計画通りに進んだことは一度もありませんでした。そのため、せめてテスト一か月前からは勉強が進んでいても、もう余裕だから今日はここまででいいやと言って早めに寝ようとしたりさぼったりするのはやめた方がいいです。大抵その次の日に時間のかかる課題が出て昨夜の自分を恨むことになります。
 また、効率というのも勉強するにおいて重要ではありますが、効率の良い勉強法というのは人によって千差万別であると私は考えているため、確証をもって言えることはほとんどありません。私と共に医学部に進学する同級生に聞いてもみんな全然違うアプローチをとっているようですし、世間一般的に勉強ができるほうであるとされている他の同級生に聞いても、共通解は気合以外には存在しないように思えます。再三言わせていただきますが、計画と気合です。強いて言うならば、私の学校にはテストの過去問を部活の後輩に渡す文化というものが存在したので、テスト問題を友人たちと研究することがかなり役に立ちましたが、これが他の学校で通用するかはわかりません。

③ テスト前以外の勉強習慣について
 私の学校では、理系の人間にはとても重いレポート課題が常に課されていたため、ほとんどの時間をレポートに割いていました。レポートのない日にはとにかく学校や塾で教わったことの復習をしていましたが、あまりにも根を詰めすぎると燃え尽きてしまう可能性があるため、とりあえず理屈が抑えられるくらいでよいと思います。また、移動時間やお風呂に入っている時間にその日習ったことを頭の中で整理する習慣を持つと、かなり難解な事象でも割と筋道が見えたりする気がします。

④ 受験勉強(Cria)の学校授業、定期テストなどへの活かし方など
 一般入試のための受験勉強がどのように学校の授業や定期テストへ役立つかという話ですが、Criaに通う利点は主に三点あると私は思っています。
 まず一点目として挙げられるのは、前もって授業の内容を把握していると余裕が生まれるという点です。少なくとも私の学校では、高校で学習する範囲を大きく超えた内容を授業で扱う事が多々あったのですが、そのような高度な授業を行う代償として、通常の高校で習ういわゆる基礎となる部分を教わる際にはとても速足で授業が進んでいました。その中で、元から基礎が多少なりともできていた私が持っていたアドバンテージは計り知れないと思います。また、このような環境に身を置いていなくとも、わかりにくい先生の授業などはどの学校にもあると思います。そんな時に自分だけ授業を復習程度に受けられるというのはとても魅力的ではないでしょうか。
 次に二点目として挙げられるのは、期末テストで授業では扱わない難易度の問題が急に出てきたときに一般受験の勉強がとても役に立つという点です。理系のテストの最終問題でとてつもない難しさの問題が急に出てくるという体験はほとんどの方が経験したことがあると思いますが、普通であれば落として当然の問題を正解できるというのも周囲との差を広げることに繋がります。
 最後に三点目ですが、これは単純に定期テストへ向けて勉強をする際に、理系科目の勉強に費やす時間が圧倒的に減らせるという点です。これはつまり、より多くの勉強時間を文系科目に割けるようになるということを意味していますので、Criaへ通うことは理系科目の成績だけでなく、全体的な成績の向上につながると言っても過言ではないと思います。
 また、これは高校の定期テストとは関係ないことですが、医学部に無事入学できた後のことを考えてみると、推薦を狙っていても受験勉強を行う事の大切さがわかると思います。大学に入った後も当然我々学生は勉強を続けるわけですが、一般入試を用いて医学部に入学してきた猛者たちが蔓延っている環境でどのようにして生き延びるかというのはとても重要な話だと思います。正真正銘の化け物に囲まれ、化け物であることが受講の条件である講義を受けることになるのです。武器は少しでも多い方がいいでしょう。

⑤ 3年間継続させるためのアドバイスなど
 全てのテストで毎回良い点数をとるということは並大抵のことではありませんし、プレッシャーもかなり大きいです。私も、私と共に医学部に進学した戦友たちもみんな三年生のテスト期間中は毎晩のように涙で枕を濡らしていました。その中でも頑張るためには、自分と同じ志を持つ友人を持つことが大切だと思います。また、勉強以外の趣味や習い事をしたり、部活に入るのもいいでしょう。私はテスト期間を除く高校三年間、週に一回ピアノとテニスの習い事に通っていました。あとは、夏休みなどの長期休みには存分に羽を休めることも大切です。とりあえず最初の2年間を目途に頑張ってみてください。そのあとはこれまでの努力を無駄にしてはならないという原動力で前に進むことができると思います。

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